ご先祖様を「供養する」ことについて考えます。
仏教に限らず、世界の様々な宗教でご先祖様を崇拝するのは当たり前のようです。日本の古い民間信仰にもあります。
およそ5~6万年前に地球上に住んでいたネアンデルタール人にも、そのような兆候があったことが考古学調査で分かっています。死者を埋葬してお花を供え、死者を悼む習慣がありました。
ご先祖様を供養する兆しのようなものが、この頃にもうあったのでしょう。
親等で考えてみましょう。だれでも知っていますが、自分からみて親が1親等。兄弟姉妹は2親等、同じく祖父母も2親等。甥・姪は3親等、同じく曾祖父母も3親等。
兄弟姉妹と祖父母は血の濃さが同じです。甥・姪と曾祖父母も同じ血の濃さです。
以前、別の事をしているときに、こんなことを男子学生に言いました。おじいちゃんの若いころの写真を見てごらん。よく似ているからと。本人は半信半疑でしたが、その後、この学生は興奮して私のところにやってきて言いました。
先生、自分の顔とうり二つでした。そうでしょうね。兄弟と同じ血の濃さなんだから。
兄弟姉妹や甥、姪の名前や生年月日を知らない人は、少ないと思います。では、祖父母の、曾祖父母の名前や生年月日となると…。
自分たちが、今、ここにいるのはご先祖様のおかげです。やはり、「感謝」という言葉しか思い浮かびません。