虫の音

今回は、初秋の楽しみ方を考えてみました。いろいろな楽しみ方がありますが、今回は「虫の音」に着目します。

思い出すのは、「行水の 捨てどころなし 虫の声」です。上島鬼貫(うえしま おにつら)です。

意味はこんなところです。「行水(水浴び)で使った水を捨てようと思ったけれど、当たり一面に虫が鳴いている。水を捨てたら虫が鳴きやんでしまうので、どこに捨てようかなぁ」

今から、300年以上前に読まれた俳句です。今も昔も、「虫の音」に敏感な日本人です。

外国人は、虫の音などが雑音に聞こえる、などということを耳にします。

でも、そんなことは関係ありません。

日本では、昔から秋になると虫が鳴きます。それを耳にしてきた日本人だからこそ、鬼貫のような感覚を発達させることができたのです。そのことを幸せに思いたいです。

ところで、「虫の音」についてちょっと調べてみました。その鳴き方は三つのパターンがあるそうです。(もっとあれば、教えて下さい)

一つに、縄張りを主張して一定の声で鳴くそうです。二つに、オス同士のケンカだそうです。攻撃的に鳴くそうです。三つに、メスへの求愛だそうです。やさしく鳴くそうです。

今度、「虫の音」を聞いたら、どの鳴き方をしているのか。味わいながら、聞くことにしようと思った今日です。